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 新春特別寄稿 

「電友会ボランテイア活動賞」の団体賞を受賞して

ICT海外ボランティア会顧問
 石井 孝


 「ICT海外ボランティア会」が思いもかけず団体賞を頂くことが出来、年甲斐もなく久しぶりに心浮き立つ気分に浸りました。 

推薦をして下さった日比谷同友会幹部の皆様、そして評価して下さった電友会幹部の皆様方に心から御礼申し上げます。

 また、情熱と無私・無償の精神でこの活動を支え続けて居られる加藤隆さん(事務局長)、村上勝臣さん(報道部長)、山崎義行さん(広報部長)をはじめとする同志の皆さんに感謝申し上げます。

 のっけから私事になり恐縮ですが、現役当時の仕事は全くドメスティックで、海外に関しては全く縁がありませんでした。

 俄かに現役を離れることになり、身体の真ん中にポッカリと大きな風穴があいたような精神状態になりましたが、この穴を塞ぐには、何か今までやった事のないものにチャレンジするしかないか、と思ったものです。当時の上司であった澤田さんや児島さんの激励もあり、JICAのシニア海外ボランティアに応募し、現役時代に経験出来なかった海外での仕事にトライしました。

 中進的途上国であるタイに赴任し、周り中が全てタイ人で、文字通り一兵卒の状態に戻り、多角的な技術支援に取り組んでおりますと、余計な纏いが取れ物事の実相が素直に見える感じになりました。そうした中で、本ボランティア活動の切っ掛けとなった事柄を挙げてみますと、

(1)電気通信分野において、公社時代からNTTはタイに対しかなりの技術支援と援助を行って来たものと自負して居りましたが、当時の状況は、NTTはおろか日本ITメーカーのプレゼンスすらも極めて希薄であること。
(2)途上国の諸君は懸命に先進国に追いつくべく勉強をして居るが、如何にも上滑りで、基礎・基盤(インフラを含め)が大変脆弱であること。
(3)上記のような問題点を丁寧に説明し、理解してもらい、地道でまともな開発軌道に乗せるような仕事(工程)が必要不可欠でありますが、このような任務は我々のような技術や業務のポイントをわきまえ、且つプラニングやマネイジメントなどの経験を有するシニアが打って付けであること。
(4)昨今の時流の中で、途上国においても官営から民営への流れが急速に進行しており、こうした中での支援活動には、真藤イズムをバックボーンとした電電民営化経験が極めて有効であること。

等などで、これは何とかしなければと思いました。

 細かい経緯は割愛しますが、以上のような想いを、シニア海外ボランティア経験をお持ちの加藤隆さんと百パーセント共有し、意気投合しました。そして、新しい時代に適った途上国に対する支援活動を考え、実行に移す手立てを模索してみようと立ち上げたのが、「ICT海外ボランティア会」であります。

我々の問題意識は凡そ次のような所です。

(1)我が国のみならず相手途上国の真の国益を考え、短期的ではなく、中長期的な支援に結び付けるには何を如何したらよいか。
(2)高齢化社会に向かう我が国の現状に鑑み、シニア世代の生きがいにつながる仕事を途上国支援の中に見出し、これを積極的に生かせないか。
(3)とは言っても限られたシニア層だけでは限界があり、実行・実現には広い層に亘る方々の理解と協力が必須であるので、世間に対しこうした事についての問題提起を行う必要がある。
(4)一人でも多くのシニアの皆さんに「シニア海外ボランティア」を体験してもらい、途上国支援の実態と意義を実感していただく。

 何はともあれ歩き始め、歩きながら色々考えて行こうと云う事でスタートし、NTT-OBを中心に広く会員を募り、ネット上で定期的に発行する会報(メルマガ形式)を会員相互のコミュニケーションのツール(場)と致しました。

 会報の内容は、識者の方々のご意見の紹介、真藤イズムの吟味(「真藤語録」による)、JICAシニア海外ボランティア要請情報の紹介、海外でボランティア活動を行って居る方や嘗て活動された方々の活動報告など、活動に対するスタンス(気構え)といったものから実践に至るまでを全般的にカバーするよう試みて居ります。また、誌上を通し、現在活動をされて居る方々に対するサポートなども試行して居ります。

 一昨年からは、加藤さんの提案で、お互いに顔の見える議論をしようという事になり、広い見地から様々の関連する問題についてフェイスツーフェイスの意見交換を行う「海外情報談話会」をIFIS様と共に創り、有志による賑やかな議論を始めて居ります。

 なお、談話会の会場につきまして、無償でご提供下さって居る工事協会様並びにJTEC様に厚く御礼申し上げます。

 会報の発行、ホームページ(http://www.ictov.jp/)の運用、談話会の開催等の会運営は、冒頭のお三方が中心になり、専ら、ボランティア精神で実施されて居ります。

 我々の活動は如何にも茫洋としたもので、ちょっとやそっとで、成果がでるものではない事は十分承知して居ります。「年寄りの冷水」などと言われそうですが、何かやらねばという想いと、「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」と云うイチローの言葉を頼りに、時折初心にたち還りながら試行錯誤を続ける積りで居ります。

 翻ってみますと、我々は日本の高度成長期の中で仕事が出来る幸運に恵まれました。毎日が仕事、仕事。無趣味が趣味とか、仕事が趣味などと嘯いて明け暮れて居りました。

 ところが定年を迎え、いざ仕事から離れますと何をしていいか分からない。勿論、高尚な趣味を満喫されて居る方々が多いことは存じて居りますが、どちらかといえば無趣味派が多数を占めているのではないかと思います(私もその一人です)。

 こうした者にとって、身体の方の発散は、毎日の散歩などで比較的容易に解決出来ます。しかし、心と言いますか魂の発散(気晴らし)は、そう簡単ではありません。

 そこで提案ですが、私どもの会報や談話会を利用頂き、かねがね思い抱いている事やこれは問題であると思っている事などについて、会報へ寄稿するなり、談話会の講師として話すなどして皆でディスカスする。これは、かなりコクのある気晴らしになる事、請け合いです。(恐れ入りますが稿料、講演料は無料でお願いします)我々の活動が、こうした「心の散歩道」になれないものか、とも思って居ります。

 OB主体の活動では現役の場合とは異なり、先にも触れましたが、明確な結論を出して実行に結びつけることは中々困難です。反面、フリーに遠慮なくものが言え、勝手な提言等が自由にできるメリットがあります。

 些かでも世の為になればと心懸けながら、肩に力を入れず、時には息抜きなどもまじえ、愉快にやって参りたいと思って居ります。皆様のご参加をお待ちしております。

 

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